目次
4. 超越瞑想のルーツ
超越瞑想はどのようにして見出されたのか?
一般的に、瞑想とは、ある言葉や音に心を集中させたり、何かをイメージすることで、心を静寂へと導く方法であると考えられてきました。しかし、そうした方法では心はすぐに飽きてしまい、何か別のものに注意が向いてしまうため、「ここにじっとしていろ」と心に命じなければなりません。
このような瞑想法では、たくさんの努力や訓練が必要となります。ですから、毎日このような方法に長い時間を費やして、より高い意識を得ようとするのは、僧侶にしかできないことです。そのような方法は、一般人には向いていません。
瞑想によって得られる深い静寂の体験は、長い歴史を通して様々な聖典のなかで語られてきましたが、それを実際に体験するのは非常に難しいとされてきました。そのような理由から、日常生活には全く役立たないものとして退けられてきたのです。
しかし、1955年に瞑想に対する全く新しい理解を持った一人の賢者がヒマラヤからやって来ました。この賢者は、大学で西洋の科学を学んだ後、当時の最も偉大なヴェーダの先生のもとで13年間学び、瞑想が実際にどのようなものであるかをよく理解していました。
この若い賢者は、彼の先生の教えから、また、彼自身の体験から、心を無理に静寂へと向かわせるのは正しい瞑想のやり方ではないことを知っていました。心が自らの「家」へと戻っていき、それ自身の無限の潜在力を発見するのは、心にとって喜びであり、楽しいことです。
心はそれ自身の本質に従って、より多くの幸福を感じる方向へと引かれていきます。より良い人間関係、より大きな家、より高い地位、より多くの知識など、心は常により大きな幸福を求めています。そして、心の源には純粋な幸福の場があるため、いつでもチャンスさえあれば、心は自動的にそれ自身の源へと戻っていこうとします。
心を無理にその源へと引き戻そうとする必要はありません。それは不自然なことであり、かえって逆効果となります。心を内側の静寂へと導く最も効果的な方法は、それが自然に起こるようにすることです。必要なのは、心を正しい方向に向けることだけです。そうすれば、心は、それ自身の本質に従って内側の静寂へと自動的に進んでいきます。
超越瞑想を世界に紹介した賢者「マハリシ」
その若い賢者は、こうした心の自然なプロセスを一つのテクニックとして体系化し、それを「超越瞑想」と呼びました。「超越」とは何かを超えていくということです。
超越瞑想によって、心は想念の最も微かなレベルを超えて、完全な静寂の状態に達します。若い賢者はこのテクニックを彼の先生から学びましたが、それを現代人に合わせて、一つのテクニックとして誰もが自分の家で実践できるようにしました。
この若い賢者は、後に「マハリシ」という称号で呼ばれるようになりました。マハリシとはサンスクリット語で「偉大な見者」という意味です。「聖マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー」というのが、この賢者の正式な称号です。
マハリシは、全世界の人たちが正しい瞑想法を学べるように、世界中で超越瞑想の教師を養成しました。この自然な瞑想法が失われたのは、瞑想のやり方を正しく教える教師がいなかったためです。自然な瞑想の体験はたいへん微妙で人によって異なりますから、経験豊富な教師の注意深い指導が欠かせません。TMを本から学ぶことができないのは、このような理由によります。
超越瞑想の教師になるためには、5カ月間のコースを修了する必要があります。マハリシはこれまでに、約4万人の教師を養成してきました。そして、その教師たちが世界中でTMを教えるという方法は、たいへん大きな成功を収めてきました。これまでに世界中で1000万人以上の人たちがTMを学び、その効果は多くの科学的研究によって証明されています。
TMテクニックは、誰でも簡単に学べて、楽しく行うことができ、その効果は生活の様々な面に現れてきます。なぜなら、それは生命の源へと戻っていくテクニックだからです。真の瞑想とは、単なるリラクセーションではなく、自分自身に立ち戻って、真の自分を発見するテクニックに他なりません。
(詳しくは、「超越すること—人間の最高の体験」を参照してください)
また、マハリシは世界最古の知識であるヴェーダを科学として体系化しました。ヴェーダの健康法であるアーユルヴェーダ、ヴェーダの建築法であるスターパティヤヴェーダ、ヴェーダの天文学であるジョーティッシュ、ヴェーダの音楽であるガンダルヴァ・ヴェーダなど多くの手法を復活させて、それらを世界に紹介してきました。これらの手法はどれも、私たちを自分自身の本来の姿に連れ戻すための知識であると言えます。
マハリシは、2000年にこうした知識やテクニックをもっと多くの人たちが利用できるように「世界平和のグローバルカントリー」という非営利の世界的組織を設立しました。マハリシの後継者として、現在この組織のリーダーとなっているのは、人間の生理とヴェーダとの対応関係を発見した科学者トニー・ネイダー博士(Ph.D.)です。
次の動画は以前にカナダ国営テレビで放映されたものです。マハリシがTMについて基本的な説明をしています。
5. 超越瞑想と他の瞑想法との比較
5-1. 不安(ストレス)に対する効果
不安はストレスの最も明確な兆候の一つです。どのようなリラクセーション法にもいくらかの効果はありますが、超越の体験は他のテクニックの少なくとも2倍以上の効果を生み出します。
これは、スタンフォード大学の研究者たちが過去に行われた瞑想に関する調査結果をメタ分析した結果です。彼らは様々な瞑想法に関する146件の調査をメタ分析して、不安感に対するそれぞれの方法の効果量を計算しました。
その結果、ただ座って目を閉じているだけの方法やTM以外の瞑想法ではプラシーボ以上の効果は得られない、ということが分かりました。また、何かに集中する方法は、不安に対して返って逆効果であることも明らかになりました。なぜなら、集中法はただ努力を要するだけで、ほとんどリラクセーションが得られないからです。
そして、TMに関する35件の調査から得られた平均的なTMの効果は、これまでに調査されたTM以外の方法に比べて2倍も効果が大きいことが分かりました。また、TMは長く続けるほど、その肯定的な効果が大きくなっていく唯一のテクニックであることも分かりました。
5-2. 自己の発達(自己実現)
自己実現は、様々な状況のなかで人々がどれだけ自分自身を保つことができるかという尺度です。自己実現している人ほど、問題に圧倒されることが少なく、人生でより大きな成功を収めています。
(詳しくは、「TMによる自己実現の効果」を参照してください)
アメリカの心理学者マズローは、自己実現を十分成し遂げた人は、しばしば「至高体験」をしていると述べていました。マズローが説く至高体験は、超越の体験と非常によく似ているため、超越瞑想は至高体験を得るための系統だったテクニックであると言えます。超越の体験には、通常のリラクセーションでは得られない大きな効果が期待できます。
このことは、42件の瞑想法に関する調査の比較研究によって確認されました。調査されたTM以外の瞑想法の平均効果量は0.2でしたが、TMの効果量はほぼ0.8であり、TMはこれまでに調査された他の瞑想法の3倍から4倍効果的であると言えます(p=.0002)。
5-3. アルコール依存症
一般に、アルコール依存症は、心と体の両方に深く根を下ろしています。アルコール依存症を効果的に治療するためには、通常のリラクセーションが達するよりもさらに深いレベルからの変化が必要です。
様々な瞑想法に関する10件の調査を分析した結果、TM以外の瞑想法やその他の手法には、アルコール依存症を改善する効果はほとんど見られませんでした。
TMに関する14件の調査(全体で4000人を対象とした調査)によると、TMの平均的な効果は、これまでに調査された他の方法の2倍から4倍効果的でした(p=.009)。しかも、重度のアルコール依存症患者だけを対象にした調査では、TMの効果は他の方法の4倍から10倍も効果的であることが分かりました。他の調査でも明らかになったように、TMを規則的に行えば行うほど、また、より長い期間行えば行うほど、その効果は大きくなりました。
5-4. 高血圧
2007年に、米国の国立衛生研究所の委託によって、高血圧に対する代替治療の効果の分析が行われました。その結果、統計的に有意な効果が認められたのは超越瞑想だけでした。これらの調査結果を受けて、最近、米国の心臓病学会は、TMは高血圧の治療法として処方することができるという助言を医師たちに発表しました。 TM以外の瞑想法(マインドフルネスやヨガの瞑想法)は、それが効果的であるという確証が得られなかったために推薦はされませんでした。
5-5. 知能と創造性
知能と創造性は、脳の異なる部分がどの程度まで統合され、一つの全体として機能できるかに関係しています。超越することによって、こうした脳の統合が高まります。なぜなら、超越の体験とは本質的に脳全体が統一される体験だからです。それに対して、通常のリラクセーションには、創造性を高める効果はそれほど見られません。
これは、全体で362人の生徒を対象にした3件の研究を分析することによって確認されました。この研究では、生徒たちをTMグループと3つの対照グループに無作為に分けました。対照グループには、黙想法を行うグループ、座ってただ目を閉じているだけのグループ、何もしないグループという、三つのグループがありました。6カ月から12カ月後、TMのグループは、3つの対照グループと比較して、脳機能を測定する5つの尺度(脳全体の創造性、場独立性、実際的な知能、精神的な能率、流動性知能)の全てにおいて大きな改善が見られました。また、TMグループはストレスや不安の大幅な減少を示しました。
5-6. 老化の逆転
平均81歳の高齢者を無作為にTMグループ、マインドフルネス・グループ、精神的リラクセーション法(リラクセーション・レスポンス)グループ、何もしないグループの4つに分けました。3カ月後には、TMグループには他のグループと比較して、認知能力の大幅な増大と、高血圧の大幅な減少が見られました。
3年後に4つのグループを再び調査しました。対照グループでは、すでに多くの人が亡くなっていましたが(マインドフルネスでは12%、リラクセーション法では35%の生存率)TM グループでは100%の人たちが生存していました。
その7年後に再度調査したときには、マインドフルネスと他の対照グループの寿命には大きな違いは見られませんでしたが、TMグループは他の3つのグループよりも平均して2年間長く生きていることが確認されました。
また、研究者たちは、超越瞑想を行っていた人たちが、マインドフルネスを行っていた人たちよりも、瞑想をはるかに楽しんでいたことを明らかにしました。
「TMとマインドフルネスの長期的な効果の比較」についてはこちらをご覧ください。
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